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2011/09/27
カテゴリー: 長谷川手記
投稿者: admin2

お盆が過ぎた8月20日に私は中山寺に御参りに行きました。その後,神戸の三宮で私は友だちと7時に待ち合わせをしていましたが,三宮に着いたのが6時半でした。1時間少々時間がありましたので,喫茶店で時間を潰そうと入ったのですが,広いお店で客の出入りが多く,20分時間を潰すのが大変でした。土曜日でもありましたので,街を歩く人々も多く,身を持て余していました。日頃は忙しいので,1人になってボーとしてみたいと,いつも言っていたのですが道行く人々の中では到底,ボーとする暇はありませんでした。
私は6時過ぎに静かな喫茶店を見つけて,バックミュージックに耳を傾けていますと,隣の席にいた20才位の若者から声を掛けられました。「おじさんはどこから来たんですか?」「鹿児島から来たよ」
若者は「遠い所から来ましたね」「君は鹿児島に来た事はあるの?」「まだ無いですが,桜島が爆発するのを見に行きたいです」と言葉は丁寧で,優しそうな若者で,好感の持てる人です。
色々話していると,岡山から新幹線で金曜日の夜に来て,日曜日に帰って行くとの事です。私はその後の言葉で耳を疑うような事を聞きました。4年前に彼のお父さんは事業に失敗して,現在は行方不明になっているとの事で,岡山にはお母さんと妹さんと3人暮らし。神戸に出て来るのは,フリーのホストをしていて女性の相手をしてお金を貰い,数万円を持って日曜日の夜に帰って行くとの話でした。私はショックで,彼に掛ける言葉を失っていました。友だち3人で,このアルバイトをしています。大学は合格できるので,大学に行ったらこの仕事は辞めると話していました。

3週間経った今でも彼の無邪気な笑顔が頭から離れません。私は彼にしてあげられた事はコーヒー代を払ってあげた事だけです。彼は電話が来て出て行きました。「おじさんのような優しい人は少ないです。電話番号を教えてください」と言われ,私はショックのあまり,携帯番号が出てこなかったのです。彼は「1ヶ月に2回神戸にいます」と言って帰りました。

神様にお願いしています。今度彼と会う時は,りっぱな大学生でいてくださいと!

2011/09/12
カテゴリー: ダウンロード
投稿者: admin2

待受け画像-「いつも逃げてるね」


待受け画像-「枯れた木に」

2011/09/11
カテゴリー: 長谷川手記
投稿者: admin2

先日,夜中の12時半頃に若い男性から電話が掛かってきました。大阪の八尾市からです。
「僕は岡田(仮名)と言いますが,お父さんが一週間前に死にました。喉頭ガンで死ぬ前まで 長谷川君に会いたい と言っていた」という事でした。私と岡田君は数年に一回,「元気している?また会いたいね」後は楽しい言葉のキャッチボールを20分位して終る友だち関係でした。

彼は私と同い年で,19才の頃に知り合って,その当時は松竹映画で俳優をしていました。1年間で2本映画に出ていましたが,21才で映画を辞めて,伯父の経営している機械部品の会社に帰って来て,土曜日毎に大阪,梅田で会っていました。
それから彼は,1万円で買ったカメラで写した写真を読売新聞のコンテストに応募して金賞を取りました。その賞金で良いカメラを買って,時間があれば北海道の礼文島から山口県の青梅島迄,日本海に沈む夕陽を写しに行っていました。何回も賞を取って,大手新聞に掲載されているのを陰から喜んで見ていました。6年位前に今度は,九州や沖縄の夕陽を一緒に撮影に行こうと言っていましたが,それも叶わぬ夢に終りました。

私の友だちは,とても変わった人生を送っています。映画俳優から営業マン,写真家になったかと思うと写真評論家。最後は写真スクールの先生で頑張っていました。
彼はいつも明るくて,プラス思考で何にでもチャレンジする友だちです。
私は彼が死んだとは思っていません。
彼から鹿児島に行くよ!の電話を待ち続けます。