一昨年のお盆過ぎに小野先生(仮名)が私の所に来られました。小野先生は高校のスポーツの監督で,生徒を40名くらい連れて,遠征で山陰方面に行かれた時の話です。
一日目は生徒も先生もビジネスホテルに泊まられた時に生徒は4階に,先生は1人6階に泊まられたそうです。夜の2時頃,隣の部屋がドンドンと騒がしいのでフロントにうるさくて眠れないと電話をしたら,フロントの方が「小野様,今日は6階には小野様しか泊まっておられません」と言われ,先生は背中にスーッと冷たいものが走るのを感じたそうです。それでも気にせずに寝ようとしていると,先生の部屋のチャイムが鳴ったので小さなのぞき窓から覗くと誰もいなかったそうです。トイレに行ってベッドに入ると,またチャイムが鳴ったのでドアを開けると誰もいなかったのです。
先生は完全に目が覚めて朝まで眠れなかったと話しました。次の日は山の中にあるお寺の宿坊に泊まったら,夜中の1時頃にポクポクとお坊さんのお経を唱える声と木魚が聞こえてきて,一緒に行った助監督さんや生徒たちも目が覚めたのです。
朝起きたら助監督さんや生徒たちも,「夕べは恐かったね。夜中にお経が聞こえましたね」とお坊さんに言いましたら,お坊さんは「私は夜中にお経はあげませんよ」と言ったそうです。生徒の中にはお寺の御堂の中を女の子が走っているのが見えた。その女の子は夜中に泣きながら走っていたと言ったのです。「キャー,助けて」と何回も泣き叫んでいて,とても恐かったと話しました。その昼に女の子が泣き叫んでいるのを見た生徒のお母さんが交通事故で亡くなられたそうです。その男子生徒のお母さんは自分の息子に最後のお別れを言いに来たのかもしれないです。車の運転はくれぐれも注意してください。残された家族が悲しみますよ!