今から7年前の話です。確か,春頃だったと記憶しています。30才半ばの女性と小学校3年生の男の子が私の所に御参りに来られました。ご主人が若い女性と家出されて今,何処にいるのか,いつ頃帰って来るのか聞きに来られました。元々,私はケンカするのは片方だけが悪いのではなく,両方に原因があるからケンカになるという考えなのです。
私が興味を持ったのは小学生の男の子です。私の家に来た時,ニコニコと笑顔の可愛い男の子でした。「こんにちは」ときちっと挨拶できましたので,躾(しつけ)の良い子だなぁと感心しました。
拝み終わって,女性が「私はお金を2000円しか持っていないんです。」と言われ,お布施(お礼金)を出されました。私は元々,お金を頂こうと思っていなかったのです。でも,人にお願いをしたらケジメは大切ですので,私は頂きました。男の子は「お腹がすいた。」と言っていましたのでお菓子を食べてもらい,年の割にしっかりした口調で話す男の子と心地よい時間を過ごしました。
帰る時に私は,先に頂いたお金をお返ししましたら,男の子は私に「神様,ありがとうございます。僕が働いたらお金は持って来ます。」と言いました。私は自分の耳を疑いました。この小さな子供がどんな心で私に言ったのだろうかと。どうしたらこんなしっかりした子供になるんだろうか?
確か10才位の男の子なんですが,私は小さな神様に会ったような気がします。損とか得とか考えないで生きていたら,こんな心になれるのでしょうね。

私はこの事を考えると心が晴れます。男の子に言いたいです。

「お金は要らないから,いつまでもきれいな心でいて欲しい。もう一度会いたいです。」と・・・。