先日,53才の奥様が私の所に相談に来られました。名前は美代子さん(仮名)と言われました。
その奥様の隣の家に91才のおばあちゃんが30年以上も住んで,美代子さんとはとても仲良しでした。つい最近,おばあちゃんは心臓の発作で倒れられ,美代子さんも1人暮らしだったのでおばあちゃんの看病をしていたそうです。
おばあちゃんが倒れられてすぐに鹿児島に帰って来られなくて,10日位して娘さんが帰って来られました。おばあちゃんは,かねてから娘はお金を貰う時だけ帰って来て,後は全然疎遠だったそうです。おばあちゃんはお医者様からあまり長くないと言われていたのですが,娘さんはおばあちゃんの面倒を全く見ないで,おばあちゃんが死んだ時に財産がいくら有るか,土地や家はいくらで売れるかとか。その財産の事で走り回り,おばあちゃんはほったらかしで,可哀想だったので美代子さんがずっとおばあちゃんを死ぬ迄看病してあげたそうです。
おばあちゃんは,もうぐったりしていて話せる状態ではなかったのに医者や看護師がいなくなったら,あり得ない行動に出たそうです。もう話す事のできないおばあちゃんがパッと目を開けて,「美代子さん。あなたは私の娘より優しくしてくれました。米ビツの中に定期預金と印鑑が入っているので,あなたにあげる」と言って亡くなったそうです。
美代子さんはカギを預かっていたので米ビツの中を見たら500万円と200万円の通帳が出てきたそうです。美代子さんは人のお金なので娘さんに渡したそうです。

娘さんは持って帰って,その家は誰も住んでいません。でも夜になると隣からコンコン,「美代子さ~ん,美代子さ~ん」と声がするそうです。おばあちゃんは余程寂しかったんですね。娘さんから美代子さんに電話がきて,雨の降る日はおばあちゃんが娘さんの寝ている頭の横に立って泣いているという電話があったと聞きました。
自分だけ幸せになろうとすると・・・。