夕方5時頃,1人でお茶を飲んでいる時に電話が掛かってきました。
「先生,僕の生まれ育った家が無くなっちゃうよ。助けてくださいよ」初め何の意味か解らなかったのですが,彼のお母さんが子宮ガンになったという事でした。おとなしい大山君が電話でブラックジョークを言って来ました。あと1週間後に子宮を全摘出すると心配しているのです。
昔から男の子は母親の方を心配すると言われています。昨日からぜんぜん寝ていないとの事。僕は,親父が厳しかったから母がいつも陰で助けてくれたので,母がもし死んだら本当につらいよと心配していました。私はすぐに観音様に御祈願しましたら,元気になると出ましたので彼に伝えました。彼は口うるさい母親で,いちいち文句を言っていなければよいのにと何度も考えた事もあったそうです。いざ母親が大病しますと子供の頃,母に叱られた事,自分が病気をした時,母親が車で病院に連れて行ってくれた事が走馬灯のように出てきたそうです。
今,そのお母さんは元気になられて快方に向かっているそうです。彼は1つまた精神的に成長したようです。おふくろ,母さん,かあちゃん,お母ちゃん,オカン(関西でこう言います)何かなつかしい響きですね。

貴司君,生んでくれた母さんは1人しかいないですよ。お母さんに心配掛けないようにね。
たまには母さんの背中を見に行きなさい。背中は本当の母さんの姿なのですから。