先日,50才くらいの女性が,私に相談したい事がありますと言って来られました。内容は悩みがないのが悩みです。何とかなりませんか?と言われ,私はそれは大変難しい相談ですね。ではしばらく雑談でもしましょうかと20分くらいの間,他愛もない話をしていました。しばらくするとその女性は,主人が若い女性と家を出ました。25才になる息子さんが国家資格を何回も受けても合格しないとの事を言われました。
どうして心配にならないのですか?家庭は面白くないのでは?と聞きますと主人は馬鹿だから仕方ないし,息子は主人に似て何事もしっかり出来ないのだから私は一人で生きていくしかないとの事でした。話をしていても自分の言い分だけ言って私の話は聞かない人でした。以前は共働きをしていてお金はあるので食べていけると話しました。
1時間近く話をしているとやっと言葉のキャッチボールが出来るようになり,結婚してから主人のお母さんで苦労した事,娘さんが子供の頃病気で亡くなった事,そして自分の心の中を人に話すのが苦手な事,自分の将来がとても不安な事,色々と話し出して泣いたり,笑ったりで1時間少々語られました。
私は良かったと思いました。ここ数年,ご主人や息子さんとの対話がなかった。そして自分ひとりで問題を抱えて頭を悩ませていた事。その女性は自分で答えを出しました。
私がアドバイスしたのは,家の中で一人でいるよりもアルバイトでもよいから人と交わるように。そして人の話はちゃんと聞くようにと言いました。最近は携帯電話が普及した事によって,人との対話が少なくなっている事がこのような現実になっているのではと考えます。
私は修行に行った時,電車やバスに乗りますが,皆さん携帯をいじっています。気が付いたら私と向かい側に座っておられる年配の女性の方二人が携帯を出していないだけで,サラリーマン風の方や若い方々はほとんど携帯電話に遊んでもらっているようです。若い人と話をしても「ヤバイ」とか「マジ?」とか「何で?」という類の言葉が出てきます。
話は戻りますが,お伺いに来られた女性は家に帰って来るとテレビを見て,ビールを飲んで一日を過ごすと話されました。やっぱり私は自分の事しか見ていなかったんですね。これからは友だちをいっぱい作るようにしますと言って帰って行かれました。無表情で来られたお客様が,笑顔で帰られた事は良かったです。
携帯電話で遊んでもらっている事に気付いてください。楽しく生きるように努力しましょう。生きていれば突然何かが起きる事は多々あります。何かが起きた時,本来の自分を取り戻して自分で解決出来るように。決して現実から逃げないように頑張りましょう。
日頃から人とのコミュニケーションを取るようにしてもめ事のない日々を送ってください。
私は守りに入らないで前向きに楽しく生きています。