言葉一つで私たちは嬉しくなったり,悲しくなったりするものです。
先日,私は中山寺に修行の為,大阪伊丹空港まで飛行機で移動しました。その飛行機の中での事でした。離陸して30分くらいした時に機内サービスで飲み物が出てきました。キャビンアテンドさんがメニューを持って来て,何か召し上がりますか?と声をかけて来ましたので私はジュースをお願いしました。私は通路側に座っていましたので先に声をかけて頂きました。窓側には50才くらいのサラリーマン風の方が座っていて,キャビンアテンドさんが何かお飲み物はいかがですか?と言うと,言葉を待たずして,いらん!(要らないという意味)と叱ったような口調で言ったのです。言い方がとても強い口調だったので私はこれはまずい風が流れるなと思いました。しばらくするとキャビンアテンドさんが小さな竹製のお盆にあめ玉を持っていかがですか?と言って回って来ました。
私の隣にいる方は怒ったような口調で,いらんと言っているだろうがと,またしても無愛想な言い方をしていました。横にいる私まで嫌な気分になりました。私はいつも受けるよりも断り方に気を遣います。必ず要りません。有り難うと言って断ります。
昔,私がお好み焼きの店をやっている時,大島紬の仕事をしておられる女社長が来られまして,仕事の出来る人は断り方の上手な人の事を仕事が出来る人だと教えてもらった事を思い出しました。以来,私は最後に有り難うと言うようにしています。
普段の生活の中で人に物事を頼んだ時にある人は,この品物はどこに置きましょうかと言った時,そこに置いていてと言うだけの人が意外と多いようですね。私は有り難う。そこに置いていてくださいと必ず言うように心がけています。有り難うと一言言うだけで相手も自分も気分が良くなる事に気が付いています。皆様も有り難うという一言を言葉の最後に言えば雰囲気が良くなる事に気付きましょう。
以前,私は道を歩いていた時,車にひかれて壊れかけの携帯電話を見つけました。黒い携帯電話でシールが貼ってありましたので,たぶん若い人の物だと思いました。すぐに警察に届けに行ったところ,50才くらいの警察官の方が対応してくれました。でもその方は本当に落ちていたの?本当かどう考えても気分が悪くなる言い方をされました。少々の事は我慢するのですが,その時は私は警察官の方に言いました。「分かりましたでは。私は今から落ちていた所に置きに行って来ます」とムッとして言ったら,横にいた若い警察官の方が「私が対処します」と手続きをしてくれました。その夜は気分が悪いでしたが,2日後に大学生からお礼の電話を頂き,やっと気分が良くなりました。
有り難う。ご苦労様、お蔭様で・・・こんな簡単な言葉をいつも使えるように心がけたいですね。