今年も受験が終り合格された方々は,希望に胸を膨らませて頑張っておられる事と思います。長い間,手記を書いておりませんでした。中には具合でも悪いの?と連絡を頂いておりましたが,毎年春は私にとって淋しい季節なのです。

私が病気をした時によく励ましの電話を頂いていた65才以上の友だちが6人いました。先日,74才の友だちで,私と信州方面へ旅行に行こうと言っていた友だちが亡くなりました。彼はりんごの花の匂いが好きで昔,大阪から長野方面に3泊4日で旅行しました。とても優しい人で思いやりがあり,それはそれは楽しい旅行でした。確か,美ヶ原(うつくしがはら)の民宿に泊まった時に熊が出ました。8月末の頃だったと記憶しています。親子連れの熊で,民宿の御主人はこの辺はよく熊が出るので,夜の外出はできなかったのでした。夜中にトイレに行こうとしたのですが,勝手口が開いていて,もし熊が出たら襲われるのではないかと恐ろしくて,私は友だちと2人でトイレに行ったのを憶えています。予約なしで旅館に行って,1500円で1泊2食付きの旅館に泊まったのを憶えています。

御家族に電話をしましたら奥様が出られて,御主人は会社を定年退職してからカメラに凝って,北海道の礼文島から島根の出雲まで何百枚もの写真を写していたと言われました。出雲日御碕の神社に彼が行った時,私が少しの寄付をしていたものですから,名前を見て連絡が来たのが25年くらい前でした。それからお互いが思い出した時に連絡を取り合っては長電話をしていました。
今年の初めに「俺,肺ガンになってしもうたわ。長谷川君より先に行くのは胸くそが悪いんや!俺は地獄に行くやろうけど,長谷川君は極楽に行ってくれや!ほんじゃね!」これが1月14日の最後の電話でした。
年を重ねると,若い時の様にしょっちゅう電話はしません。お互い元気で生活しているだろうと信じ合いながら生きて来ました。他にもたくさんの友だちがいますが,彼等も元気でいる事を信じています。
この手記を読んでくださいました皆様,外国で私の手記を楽しみにしてくださっている方々,本当に有難うございます。今,仕事で上手くいっている方々,もっと頑張りなさいよ!悩んでいる方々,原因は自分にありますよ!

最後に私より先立たれた進裕さん,明さん,功一さん,房範さん,大和さん,憲一さん,私は皆さんの事が大好きでいつも心の拠り所でした。
皆様の分も世の中の為になります。