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2011/10/29
カテゴリー: 長谷川手記
投稿者: admin2

夕方5時頃,1人でお茶を飲んでいる時に電話が掛かってきました。
「先生,僕の生まれ育った家が無くなっちゃうよ。助けてくださいよ」初め何の意味か解らなかったのですが,彼のお母さんが子宮ガンになったという事でした。おとなしい大山君が電話でブラックジョークを言って来ました。あと1週間後に子宮を全摘出すると心配しているのです。
昔から男の子は母親の方を心配すると言われています。昨日からぜんぜん寝ていないとの事。僕は,親父が厳しかったから母がいつも陰で助けてくれたので,母がもし死んだら本当につらいよと心配していました。私はすぐに観音様に御祈願しましたら,元気になると出ましたので彼に伝えました。彼は口うるさい母親で,いちいち文句を言っていなければよいのにと何度も考えた事もあったそうです。いざ母親が大病しますと子供の頃,母に叱られた事,自分が病気をした時,母親が車で病院に連れて行ってくれた事が走馬灯のように出てきたそうです。
今,そのお母さんは元気になられて快方に向かっているそうです。彼は1つまた精神的に成長したようです。おふくろ,母さん,かあちゃん,お母ちゃん,オカン(関西でこう言います)何かなつかしい響きですね。

貴司君,生んでくれた母さんは1人しかいないですよ。お母さんに心配掛けないようにね。
たまには母さんの背中を見に行きなさい。背中は本当の母さんの姿なのですから。

2011/10/20
カテゴリー: 長谷川手記
投稿者: admin2

先日,屋久島に行きました。夜の9時に益救神社で修行をする為に神社に行ったところ,大雨に遭い傘を持って行ったのですが,全身びしょ濡れになりました。
神社は真っ暗で先が見えなかったので,傘を神社の階段の横に置こうとしたら,女性の声で「イタッ」と聞こえ,私は驚きました。そこには若いカップルが寝袋で寝ていたのです。カップルも私に驚いていました。

話す時間がありましたので神社の中に招き入れて話しました。そのカップルは福岡から駆け落ちして屋久島に来たそうです。彼女は41才,彼は22才です。益救神社で2人だけの結婚式を夜中に挙げて,結婚する予定だったそうです。
私は今から修行をするので一緒にやりましょうと3人で1時間半修行をしましたが,修行の途中,男の子が泣き出し,大声で泣いていました。女性も終わってから顔を見ると泣いていました。
私の泊まっている民宿「やくすぎ荘」の女将さんは温かい人で人情もろい人なので,私の泊まっている「やくすぎ荘」に行こうと言いましたら,カップルはこの神社で朝まで祈ると言いました。
年齢差があり,福岡では誰も賛成してくれないので屋久島の山の中で自殺をするつもりだったそうです。私はお人好しな人間ですから朝の3時迄話しをしていました。私たちは皆弱い人間ですから切羽詰まると余裕がなくなり,早まった行動を取ってしまいます。
朝方,カップルと別れ際に「もし生きる気持ちが出て来たら電話ください」と言って別れました。
それから2日後,彼と彼女から元気な声で福岡から電話がありました。お金が溜まったら鹿児島に遊びに行くと・・・。

君たち!年寄りにウソをつくなよ! 私は待っているよ 鹿児島で!

2011/10/08
カテゴリー: 長谷川手記
投稿者: admin2

6月22日朝4時15分,朝方ですが家の電話が鳴りました。夜中の電話は良い事がないと思いながら出ますと,私の家より300m位離れている所にあるお好み焼屋が今,火災に遭っていると警察から電話がありました。
このお好み焼屋「味一番」は,私が29才から今迄41年間経営しているお好み焼屋です。警察の方は,もうすぐ消えると思うけど現場に来て欲しいという事でした。午前3時頃は雷が鳴り,大雨が降っていましたので,落雷かな,漏電かなと早足で火災現場に着きました。
この店は3件長屋で,私の店は左端にある店です。火災現場に着くと,火元と思われる真ん中の店はまだ煙が出ていました。ケガ人が出ていなくてホッとしましたが,消防士の方がまだ水を掛けていました。じっと見ているうちに,私が鹿児島に帰って来て,初めて出したお好み焼屋が水浸しになっているのを見ているうちに,長男や次男がここで生まれ育った場所であるので,息子たちはどんな気持ちだろうか?淋しい気持ちに違いないと考えております。また店をやっている時に出会ったお客様,今はすごくビックになられて活躍しておられる方々はたくさんいらっしゃいます。

この店に来られていたお客様の青春の1ページを無くしてしまって本当に申し訳ありません。
一番つらいのは,この店で生まれ育った息子たちだと思います。
風と共に現実は,容赦なく変わっていきますね。

2011/09/27
カテゴリー: 長谷川手記
投稿者: admin2

お盆が過ぎた8月20日に私は中山寺に御参りに行きました。その後,神戸の三宮で私は友だちと7時に待ち合わせをしていましたが,三宮に着いたのが6時半でした。1時間少々時間がありましたので,喫茶店で時間を潰そうと入ったのですが,広いお店で客の出入りが多く,20分時間を潰すのが大変でした。土曜日でもありましたので,街を歩く人々も多く,身を持て余していました。日頃は忙しいので,1人になってボーとしてみたいと,いつも言っていたのですが道行く人々の中では到底,ボーとする暇はありませんでした。
私は6時過ぎに静かな喫茶店を見つけて,バックミュージックに耳を傾けていますと,隣の席にいた20才位の若者から声を掛けられました。「おじさんはどこから来たんですか?」「鹿児島から来たよ」
若者は「遠い所から来ましたね」「君は鹿児島に来た事はあるの?」「まだ無いですが,桜島が爆発するのを見に行きたいです」と言葉は丁寧で,優しそうな若者で,好感の持てる人です。
色々話していると,岡山から新幹線で金曜日の夜に来て,日曜日に帰って行くとの事です。私はその後の言葉で耳を疑うような事を聞きました。4年前に彼のお父さんは事業に失敗して,現在は行方不明になっているとの事で,岡山にはお母さんと妹さんと3人暮らし。神戸に出て来るのは,フリーのホストをしていて女性の相手をしてお金を貰い,数万円を持って日曜日の夜に帰って行くとの話でした。私はショックで,彼に掛ける言葉を失っていました。友だち3人で,このアルバイトをしています。大学は合格できるので,大学に行ったらこの仕事は辞めると話していました。

3週間経った今でも彼の無邪気な笑顔が頭から離れません。私は彼にしてあげられた事はコーヒー代を払ってあげた事だけです。彼は電話が来て出て行きました。「おじさんのような優しい人は少ないです。電話番号を教えてください」と言われ,私はショックのあまり,携帯番号が出てこなかったのです。彼は「1ヶ月に2回神戸にいます」と言って帰りました。

神様にお願いしています。今度彼と会う時は,りっぱな大学生でいてくださいと!

2011/09/12
カテゴリー: ダウンロード
投稿者: admin2

待受け画像-「いつも逃げてるね」


待受け画像-「枯れた木に」

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