いつも私のサイトを見てくださいまして有難うございます。
何気なく私の引き出しを開けましたら,誰か分からない人と一緒に写っている写真が出てきました。昨夜の話です。考えれば考えるほど思い出せなくて昨夜は寝つきが悪いでした。
今日,仕事をしている時,突然思い出しました。この写真は私が20才の頃の写真で,すごく痩せている写真でした。一緒に写っている先輩は,7才上で山形県から兵庫県尼崎にある住友金属で働いている佐藤さんでした。
最近は何事も忘れるようになりました。自分が嫌になる時があります。
佐藤さんは大阪弁に馴染めず,山形弁で話していました。「俺はズーズー弁しか話せないので友だちはできないんだ」と言っておられたのですが,仕事は人の倍くらいこなせて,上司からは信頼されている先輩でした。
ある時,皆様は分からない歌手なのですが,アイ.ジョージという素晴らしく歌の上手い歌手のコンサートに連れて行ってもらいました。私はその歌手の歌の上手さにファンになりまして,1年に5回くらいは聴きに行っておりました。ある時,コンサートの帰りに,私は階段から転げ落ちて,ねんざをしてしまい困っていると,佐藤さんは175㎝もある私をおんぶすると言い出しました。1500人くらいコンサートを聴きに来ている人が帰る時です。佐藤さんは恥ずかしくて躊躇している私をおんぶして,200mくらいの道のりがある駅まで連れて行ってくれました。人からニヤニヤしながら見られて,穴があれば入りたいくらい恥ずかしいでした。私は降ろしてくださいと哀願しましたが,何が恥ずかしいのか!逆に叱られました。大阪の御堂筋でたくさんの人が行き交う所です。電車の中でも佐藤さんは私の事を弱虫だと,ずーっと説教しました。その中で,人の目を気にしていたら自分の道を歩けないぞ。お前は今,歩けないから現実を受け入れて俺の言う通りにすれば良いのだ!今のお前は何もできないクセに!ズーズー弁,それに電車の中,私は早くその場から逃げたかったのですが,心の中で反発さえしていました。佐藤さんは私の家までおんぶして送ってくれました。「家に入ってください」と言ったのですが,そのまま佐藤さんは帰って行きました。母からは「何で家に入れなかったか?」お礼も言わないで佐藤さんを帰したと母からは叱られました。今から52年前の話です。佐藤さんは5年間で2階級出世されました。昔の人の愛は深くて大きかったし,素朴な愛だったと感じています。今の世の中,こんな愛があるでしょうか。私は今も何も求めない,体と心で与えられる愛を探しながら生きています。